『犯罪は「この場所」で起こる』小宮信夫

犯罪は「この場所」で起こる (光文社新書)少年が凶悪事件を犯すと、マスコミはこぞって「少年に一体何が!?」とか、「少年に潜む心の闇」といったような犯人の人格や境遇に犯罪の原因を求めようとする。

本書は、そのような原因論だけでは犯罪は防げないとし、犯罪が起こる「場所」に注目している。そして「犯罪が起こりやすい場所」では用心をし、自分のいる場所を(犯罪者が)「入りにくく」、(周囲から)「見えやすい」ようにしていくことを提唱している。

恥ずかしながら、私は「地域安全マップ」なるものを知らなかった。
これは、自分たちの地域を、自分たちで点検、診断し、犯罪に弱い場所、すなわち、「入りやすく」「見えにくい」場所を洗い出したものである。
何よりこの地図は、子どもから高齢者まで誰でも作ることができるのがよい。単に大人が作成したものを配布するだけでは、子どもの被害防止能力は育たない、子ども自身が試行錯誤しながら作り上げる過程こそが大事、とする筆者の論は、被害防止教育のあり方を問うもので、興味深い。

私たちは、痛ましい犯罪が起こると、犯人を憎み、被害者に同情するが、心のどこかで「自分とは関係ないこと」と思い、時が経つと忘れてしまう。
本書を読めば、犯罪はいつでも、どこでも、また誰にでも起こりうることであり、それを予防するのが私たち自身であることに、改めて気付かされることだろう。[Amazon]

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。