『高慢と偏見(上・下)』ジェーン・オースティン

サマセット・モームが、「娯楽小説」と評しているように、古典だからと肩肘張らず楽しめる作品である。少女漫画のような内容なので、若い読者の方が、共感できるのではないだろうか。
舞台は、イギリスののどかな田舎町。ベネット家には、5人の姉妹がいた。ある日、近所に独身の資産家・ビングリーが引っ越してきたことから、物語の歯車はゆっくりと動き始める。
プライドを捨てられず、誤解を招く男と、偏見で真実が見えなくなった女。ビングリーの友人・ダーシーと、ベネット家次女・エリザベスの二人の関係を中心に、田舎で繰り広げられる、さまざまな男女の恋模様や、それを見守る周囲の人間模様が描かれる。
読後、本書を執筆したのがオースティン21歳の時と知り、驚いた。昔の人の精神年齢が今より高いとはいえ、なんと早熟なことだろう。
この作品は、多数の登場人物の書き分けが見事。ベネット家の5姉妹をみても、美人で気立ての良い長女、才気溢れる次女、読書好きの三女、わがままで自由奔放な四女や五女と、読み進めていくうちに、自然と人物の顔や性格が見えてくる。
エリザベスを通して述べられる作者の人間観察のするどさには、舌を巻く。
本書は、単純にストーリーを追うだけでも楽しいが、一歩踏み込んでみると、「何で人間を判断するか」ということが書かれており、自分の人生を幸福なものとするために有意義な作品といえる。
特に、さまざまな女性の結婚観が語られているので、女性必読の書だ。パートナーを、財力で選ぶのか、所作か、顔か、人格か。人格だとしても、何をもって判断するのか―。
この点、なぜ自分を気に入ったのか、とエリザベスに尋ねられて、ダーシーが答えた言葉は、一つの答えを提示しているのかもしれない。
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イギリス:富田彬・翻訳



高慢と偏見 ジェーン・オースティン 岩波文庫
? ジェーン オースティン, 富田 彬訳高慢と偏見〈上〉 〈下〉 ? あらすじハートフォードシアという田舎の上流階級ベネット一家。その家庭は、家主ベネット氏を除くと、妻と五人姉妹の女の都である。その近所に、ビングリーという独身の紳士が引っ
TBありがとうございました。
ベネット氏が一番印象深かったです。
六人の女性に囲まれるとああいういいかげんな
父親にになるんだなと…
地味な存在のベネット氏に注目するとは…。
その読書眼にまたまた笑ってしまいました。
「プライドと偏見」
プライドと偏見『プライドと偏見』(Pride & Prejudice)は2005年のイギリス映画である。原作はこれまで何度も映像化されているジェーン・オースティン原作の古典小説「Pride and Prejudice」。この作品は「高慢と偏見」「自負と偏見」等の邦題で親しまれてきたが、この邦題が