『わたしとバスク』長尾智子

わたしとバスク

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書評/旅行・娯楽

料理研究家の長尾智子さんが見たバスク地方。
本書は、マガジンハウスから発行されている雑誌『クウネル』に、2号続けて紹介されていたものに加筆して一冊の本にまとめたものだ。

「ちょっと食いしん坊で暮らしの道具や日々の過ごし方に興味があるなら、親しみを持てることがきっとあるはず。」と冒頭にあるように、著者はそんな視点からバスク地方を切り取っていく。テロの危険性が高い地域だが、バスク地方に誇りを持って暮らす人々の息づかいが感じられる一冊である。
もっとも、バスク地方の政治的な状勢や置かれている社会的状況を詳しく知りたい人にはあまりお薦めはできない。本書では全くそれらに触れていないので。

縞々のバスクリネンや粗挽きの唐辛子、バスクの寸胴のグラス・「ボデガ」で飲む白ワインのチャコリ等々。どっしりと土地に根ざした生活が魅力的で、引きこまれていく。
中でも印象的だったのは、案内人のインドさんが作る、「干し鱈のピルピル」。
カスエラと呼ばれる素焼きの平鍋を使って干し鱈をオリーブ油とにんにくと唐辛子という単純な材料で炒めていくのだが出来上がりは、とろりとした白いソースが自然と最後に出来るように調理されていく不思議。そんな繊細な料理に著者自身が夢中になっていく様子が伝わってくる。
ただ残念だったのは、私が長尾智子さんの料理本が好きなだけに、著者なりに今回の旅を消化して創作したレシピを載せて欲しかったと思う。[Amazon]

本書は、本が好き!経由で献本していただきました。

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