『ウィーン わが夢の町』アンネット・カズエ・ストゥルナート
- アンネット・カズエ・ストゥルナート
- 新潮社
- 1470円
Amazonで購入
書評/ルポルタージュ
帯のコピーに引き込まれて、一気に読み終えた。
本書は、東洋人初のウィーン国立歌劇場団員歌手となったアンネット・カズエ・ストゥルナートさんの自伝である。
戦火の中国大陸を放浪し、命からがら日本に帰国したものの、極貧生活と同級生たちからのいじめに苦しむ日々が待っていた。相次ぎ肉親を亡くし一家離散、養女となって東京へ。音大受験に失敗するものの、夢を捨て切れず単身音楽の都・ウィーンへと旅立つ。
言葉の壁、人種の壁に阻まれながら、「歌いたい」という思いだけを支えに必死に生きてきた著者の半生は、壮絶のひと言に尽きる。
著者の半生は、いわば偏見との戦いである。
幼い頃は日本人離れした外見で疎外され、日本の合唱団では音大卒でないことを馬鹿にされ、ウィーンでは日本人ということで差別される。
「容姿も、年齢も、経歴も、学歴も、過去の名声も、国籍も、何も問われない実力だけの世界」を求めて、ひとつひとつ運命の固い扉をこじ開けていく著者の姿に、いつしか感情移入し、共に悲しみ喜んでいる自分がいた。
巨匠・カラヤンとのエピソードには、目頭が熱くなった。達観した人というのは、やはり違う。
歌手として大成するには、「現実の大地に両足でしっかり立つことからすべては始まる」との言葉は、支えてくれた人たちへの感謝を忘れず謙虚に生きてきた著者が語るからこそ、説得力がある。
去年は、大ヒットマンガのドラマ化やモーツァルト生誕250周年が重なり、クラシックが注目された年であった。これを一過性のブームに終わらせることなく、美しい音楽を奏でる演奏家や歌い手たちの生きざまに思いをはせることも大事ではないだろうか。[Amazon]
※本書は、本が好き!経由で献本していただきました。

ウィーン わが夢の町

こんばんは!
私も昨日、一気に読了しました!
私は、堪え切れず、夜の図書館で涙を流してしまいました・・・
いい本ですよね!
私は音楽に疎くて、この本を読むまで彼女のことを知りませんでした・・・。歌声を聴いてみたいなぁ。
歌いぬいて。「ウィーン わが夢の町 by アンネット・カズエ・ストゥルナート」
ウィーンわが夢の町を読み終えて思い浮かんだ言葉。"DRIVEN"。日本語で適当な訳が思い浮かびませんが敢えて言うなら「衝動に突き動かされて」。中国で終戦を迎え、大陸放浪。帰国後は言葉もままならず日本人離れした外見から烈しい苛めに合う。貧しい環境にありな
「ウィーン わが夢の町 」読みました。
著:アンネット・カズエ・ストゥルナート出版社:新潮社定価:1470円(税込み)ウィーンわが夢の町livedoor BOOKSで購入書評データ著者の”魂の響き”を感じてグッときた。序章からグッときまくった。 何度も何度もグッときた。そして、オペラ座(ウイーン国立歌劇場)…
本当に良い本ですね、「本が好き!プロジェクト」で評価が高いのも良く分かりました。
日本だけでなく、欧州でも偏見を受けたがそこから立ち上がる姿は本当に素晴らしいと思います。
ご紹介ありがとうございました。
はじめまして。
この本は、本が好きPJがなければ手に取ることがなかっただろうな、と思います。
こういう良い本こそ、たくさんの人に読まれてほしいですね。