『ジェニファーと不思議なカエル』ブルース・コウヴィル
主人公は、ジェニファーという名のローティーンの少女。
彼女は自分の顔に自信がなく、綺麗になりたいといつも願っている。
本書は、ひょんなことから“マジックショップ”でいわくつきのヒキガエルを買った少女が体験する不思議な物語だ。
楽しいお話である。
魔女、ヒキガエル、変身、といったおなじみのものが登場し、ファンタジーの王道を行くような内容で、『水戸黄門』を見るような安心感がある。友情あり、愛情あり、で人間の内面をきちんと描いていて好感が持てる。
〈マジックショップ〉という、いかにも怪しげな名前の店が出てきた時点でぎゅっと心を鷲署ルみにされてしまった。「ここでなにか買ったら、不思議なことが起こるぞ」とページを捲るのももどかしく読み進めていく。
そして、読者の期待を裏切らず、ものをしゃべるガマの登場!このガマのキャラクターがいいのだ。横柄な態度で指図したり、声マネをしたり、とジェニファーの生活を引っ掻き回す。ガマの軽いしゃべり方に、翻訳のうまさを感じる。
こういったファンタジーを読んでいて楽しいのが、独特の不思議なアイテムの存在だろう。本書では、おもちゃの電話が現実と魔法の世界を結ぶ重要な役割を果たしている。「こんなものがあればいいのになあ」という子どもの願いがまさに形となって現れた感じだ。
魔女とジェニファーは「美貌」を求める点では共通している。本書を読んで私は、『星の王子さま』の「大切なものは目に見えないんだよ」という有名なフレーズを思い出してしまった。
表面的な美しさに目を奪われがちな、すべての人に捧げられた一冊。[Amazon]
アメリカ:金原瑞人・翻訳
++ マジックショップシリーズ ++



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