『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々1』リック・リオーダン
ゼウス、ポセイドン、アテナ、ヘルメス・・・。
ご存知、ギリシャ神話に登場するオリンポス12神の神々である。西洋文明の源であるギリシャ神話。これが“神話”ではなく、神々が21世紀の現在に存在するとしたら?それも、アメリカに移り住んでいるとしたら?
本書はそんな奇想天外な発想から生まれた、アメリカ発のファンタジーである。
主人公はパーシー・ジャクソンという12歳の少年。
学校生活に適応できずに転校を繰り返す問題児だ。ある日彼は、校外学習で訪れたメトロポリタン美術館で謎の怪物に襲われる。その日をきっかけに、次々と不思議な出来事が起こり、自分がギリシャの神と人間とのハーフであることを知る。自分の父親の神が何者なのか分からないまま、パーシーはオリンポスの神々を巡る事情に巻き込まれ、盗まれたゼウスの雷撃を取り戻すため仲間とともに冒険の旅に出発することに。
まるでハリウッド映画を観ているような、スリルとアクション満載の冒険物語である。映画化されるのも納得だ。
エンパイアステイトビルの600階に浮かぶオリンポス山。アル中で皮肉屋の酒の神・ディオニソス、大型バイクを乗り回すマッチョの軍神・アレス、教育に情熱を燃やすケンタウロスなど、神話に出てくる有名どころが、実に人間的に描かれている。もしギリシャ神が現代にいたらこんな感じかも、と思える楽しい設定だ。
さまざまな怪物との対決を経て、徐々に謎の核心に迫っていく展開はテンポよく、一気に引き込まれる。
物語としては面白い部類に入る。それでも、不満は残る。
怪物に襲われる運命にあるハーフの子どもたちは、特別な施設で訓練を受けるのだが、これは映画『X-MEN』のパクリか?冒険の旅に出るパーシー、アナベス、グローバーの三人は、『ハリー・ポッター』のハリー、ハーマイオニー、ロンとかぶってしまう。パーシーの父親の正体は早い段階で気づくから、謎というほどでもない。
ギリシャ神話を生き生きと現代に甦らせたところは評価できるが、始終ドタバタしていて深みがない。このノリのいいストーリー展開は、漫画的である。
Amazonのレビューを見たら高評価で驚いた。この程度で満足できるのだろうか。それとも私の感性が衰えているのか。これならギリシャ神話を読んだ方が面白いのではないだろうか。そうは言っても、2巻も読んでしまうと思うが。[Amazon]
アメリカ:金原瑞人・翻訳
The Lightning Thief (Percy Jackson and the Olympians)
Rick Riordan




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