『もやしもん1』石川雅之

もやしもん(1) (イブニングKC (106))おもしろい。
話題になっていたので、タイトルとおおまかな内容は知っていたが、ここまでおもしろいとは。
物語は、菌が見える特異体質の主人公が、入学した農大でさまざまな騒動に巻き込まれながら発酵学を学んでいく、というもの。

肉眼では見ることのできないミクロの菌が見える、という設定からしておもしろい。それも、学術書に載っているような、いかにも“菌”というものではなく、人格(?)を持つ愛くるしい姿をしているのだから。菌ごとに表情が違うのも、芸がこまかい。
例えば、日本のヨーグルトに使われる乳酸菌・L・ヨグルティは、ちょんまげをしていてまんま日本的だし、日本酒の大敵・ヒオチ菌は魂を根こそぎ奪いそうな嫌~な顔をしている。食中毒を引き起こすO-157は、陽気な顔で毒舌だからかえって恐い。
この菌たちの合言葉が、「かもす(醸す)」である。「かもすぞー」と言いながら、自分たちの生存をかけてせっせと活動している。

私たち人間は、たくさんの菌から恩恵を受けているのに、普段その存在を意識することはない。常にそばにいるから、ありがたみが感じられないのかもしれない。それだけ密接な関係ともいえる。
本書は、周りにいる菌たち(一部を除いて)に、感謝を捧げたくなるような一冊である。
舌をかみそうな専門用語も、なぜか漫画だとすんなり頭に入ってくるから不思議だ。笑えて発酵も学べる、お得な作品だ。いろいろな発酵食品も出てくるので、食に興味がある人にも、オススメである。何でも漫画にできるのだなぁ、と感心してしまった。

この『もやしもん』は、アニメ化されるという。同じく農学部を舞台にしたドラマも始まるなど、近頃、農業に注目が集まっている。特に若者の関心が高い。この漫画に影響を受けて、農学部を目指す人が増えるだろうな、と思う。
ところで、東京農業大学の小泉武夫先生はこの漫画、読まれたのだろうか。[Amazon]

  1. 『世界にはすさまじい発酵食品がある』ってのが良く分かる漫画。
    「納豆は匂いが駄目」
    なんて言ってる知人に読ませたいな。

    • ぐら
    • 2007年 8月31日 8:37pm

    私は納豆ダメだったのですが、「納豆は世界を救うんだよ!」と友だちに熱く語られ、ようやく食べられるようになった人間です(単純ですが・・・)。
    このマンガを読んでいたんだなぁ、と納得。
    薀蓄盛りだくさんで、勉強になりますよね。

  1. トラックバックはまだありません。