『王様は裸だと言った子供はその後どうなったか』森達也
そういえば、どうなったのだろう?このタイトルを見てそんな疑問が頭をよぎった人は、読むべし。
本書は、「桃太郎」といった民話からイソップ童話、「仮面ライダー」まで、古今東西の15の物語をパロディ化したものである。
これまで私は、パロディというものを一段低く見ているところがあった。所詮、オリジナル作品をおもしろおかしくアレンジしただけのものじゃないか、と。もちろん、オリジナルありきではあるが、既成の作品を借りて自分の思考やテーマを表現する、という意味ではオリジナル以上におもしろい。
パロディと一口に言ってもここには、物語に疑問を投げかけるもの、現代社会や政治を痛烈に風刺したものなどさまざまあり、全体を通してみると、著者の問題意識が浮かび上がってきて興味深い。メディアの「正義感」の功罪、個人と共同体の関係、暴走する危機意識など、示唆に富んでいる。
とりわけ、男女の恋愛になると、熱と力が帯びるように感じるのは、気のせいだろうか。好きだった「瓜子姫」が、愛に破れた悲しい男の物語としか思えなくなったのには困った。強烈なインパクトがあるぶん、副作用もキツイ。まずオリジナルを読んでから、本書を手に取ることをおすすめする。
とはいえ、子供の頃からおとぎ話というものにある種の「胡散臭さ」を感じていたので、痛快に斬り込んでいく著者の筆に、「よくぞ、言ってくれました!」と拍手を送りたくなった。
多分、私が嫌いだったのは、ちっともめでたくないのに「めでたし、めでたし」で終わることや、「だから嘘をついてはいけませんよ」という、読み聴かせてくれた大人たちの押し付けがましさだったのだろう。解釈する人によって、同じ物語でもこんなに印象が変わるのか、と新鮮な気持ちがした。
例えば、有名な「コウモリ」のイソップ童話がある。獣と鳥の双方に取り入って結局どちらからも相手にされなくなった、卑怯で哀れな生き物である。そんなマイナスイメージが、ここでは180度転換されている。著者はタブーに対して鈍感な自身のことを、「王様は裸だと言った子供」になぞらえているが、どちらかというと、コウモリの姿に近いのではないだろうか。
著者の森達也さんは、オウム真理教信者のドキュメンタリー映画を撮った人、というぐらいしか知らなかったのだが、ものの見方・考え方が多面的で、鋭い。本書は、メディア・リテラシーを養う上でも、とても参考になる一冊である。[Amazon]




こんばんわ。ご無沙汰してます花梨です。
「そういえば、どうなったっけ?」と、まさしくそう思いましたから、読まねばなりますまい。
同じくおとぎ話をする大人の押し付けを鬱陶しく感じていた人間なので、興味アリアリです。面白そう!
読みましたらまたTBさせていただきますね♪
多分、このタイトルに引っかかったら、おもしろく読めると思いますよ。
押しつけがましさを鬱陶しく感じていたら、とくに。
あと、おとぎ話も「ん?」って思うこと、なかったですか?
「金のおの 銀のおの」なんて、あんな試すようなことしないで、さっさと渡せばいいのに!と子どもながらに憤慨してました。
王様は裸だと言った子供はその後どうなったか-森 達也
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「王様は裸だと言った子供はその後どうなったか」を、作者の想像で書いた表題作を初め、…
こんにちは!読みました、感想書きました、TBさせていただきました♪
面白かったです~、作者のとぼけたスタンスがいい味だしてました。
楽しい本を教えていただいてありがとうございます[絵文字:e-466]
>あと、おとぎ話も「ん?」って思うこと、なかったですか?
「金のおの 銀のおの」なんて、あんな試すようなことしないで、さっさと渡せばいいのに!と子どもながらに憤慨してました。
あはははー。思いました思いました。「単なる嫌なヤツじゃん!」って
今思うと、その寓意の解釈おかしくない?ってのありますよね。
「来た、見た、勝った」みたいなコメントに、おもわず笑ってしまいました。
そうなんですよ。
飄々とした語り口がおもしろいんですよね。
森さんじゃないけど、おとぎ話のつっこみだけで結構楽しめそうです。