カテゴリー : 海外文学

『説きふせられて』ジェーン・オースティン

説きふせられて (岩波文庫)男は思い出に浸り、女は未来を見つめる生きものだと思っていたが、かつての恋人を変わらず愛し続けるアンのような女性を見ると、どうやらそうでもないらしい。
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『クロニクル千古の闇6 決戦のとき』ミシェル・ペイヴァー

決戦のとき (クロニクル千古の闇 6)「早く先を読みたい」とはやる思いと、終わりが近づく寂しさ。
そんなジレンマにもだえつつ、ページをめくっていった。「クロニクル千古の闇」シリーズもついに最終巻である。

最強の〈魂食らい〉イオストラとの対決を前に、森には不穏な空気が立ち込める。悪霊による病と異常気象。雪と氷で覆われた地表さながら、氏族たちの心も不安や恐怖で固く閉ざされてしまう。イオストラの邪悪な支配を阻止するため、一人旅立つトラクを待ち受けていたものとは…。
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『鹿鼎記(全8巻)』金庸

鹿鼎記〈1〉少年康煕帝 (徳間文庫) 鹿鼎記〈2〉天地会の風雲児 (徳間文庫) 鹿鼎記〈3〉五台山の邂逅 (徳間文庫) 鹿鼎記〈4〉二人の皇太后 (徳間文庫) 鹿鼎記〈5〉経典争奪 (徳間文庫) 鹿鼎記〈6〉クレムリンの女帝 (徳間文庫) 鹿鼎記〈7〉故郷再び (徳間文庫) 鹿鼎記〈8〉栄光の彼方 (徳間文庫)

とかくヒーローという存在は応援したくなるものだが、本作の韋小宝(い・しょうほう)は到底読者の支持を得られそうにない。
好きなものは女と金と博打。勇気も根気もなく武芸はからきしだが、要領の良さと口の悪さは天下一品。
こういう人間はいつか天罰が下りそうに思うのだが、それどころか天下の康熙帝の心を掴んで順調に出世し、他方で反清復明を掲げる英雄好漢たちに一目置かれる存在にまでなってしまう。
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『洋梨形の男』ジョージ・R・R・マーティン

洋梨形の男 (奇想コレクション)ホラー系統の作品を集めた、日本オリジナル編集の中短篇集。6篇中4篇は、本邦初訳である。
と言われると、ものすごく得した気分になるのだけど、そもそもジョージ・R・R・マーティンの作品を読むの自体、初めてなんだった。
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『ミレニアム2 火と戯れる女(上・下)』スティーグ・ラーソン

ミレニアム2 火と戯れる女 (上下巻)

  • スティーグ・ラーソン
  • 早川書房
  • 1700円

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書評

「ミレニアム」第二部は、人身売買および強制売春がテーマ。
スティーグ・ラーソンは根っからのジャーナリストなのだろう、人間性を踏みにじる暴力に真っ向から切り込んでいく筆致は、読んでいて痛快である。
謎解きのおもしろさや構成のうまさでいえば、少女失踪事件の真相に迫った第一作目「ドラゴン・タトゥーの女」に分があるが、ある意味本作の方がミステリアスといえる。謎めいた孤高のヒロイン、リスベットの過去が掘り起こされていくのだから。
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