カテゴリー : アフリカ・中東文学

『アフリカ農場物語(上・下)』オリーヴ・シュライナー

アフリカ農場物語〈上〉 (岩波文庫)アフリカ農場物語〈下〉 (岩波文庫)偉大な文学作品は、人生の真理を突いているものである。そうでなければ、文化や時代を超えて読み手の心を打つことはないだろう。

『アフリカ農場物語』は、南アフリカのある農場を舞台に人間と自然の営みを描きながら、「いかに生きるべきか」ということを真摯に問うた作品である。
乾燥した赤茶けた大地(カルー)、点在する小山(コピ)、低木の茂み(ブッシュ)。石の間からあちらこちらに顔を覗かせる草や多肉植物。オリーヴ・シュライナーは、南アフリカの美しい自然に育まれながら思索にふけっていたのだろうか。
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『アメリカにいる、きみ』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

アメリカにいる、きみ (Modern&Classic)しぼりたてのヤシ油が何色をしているか、ご存知だろうか。
正解は本書に書かれているが、おそらくほとんどの日本人が答えられないだろう。そして、ヤシ油の色を知らないのと同じように、アフリカやそこで暮らす人々のことを私たちは、いや私は、何も分かっていないのだ。
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『君のためなら千回でも(上・下)』カーレド・ホッセイニ

君のためなら千回でも(上巻)

  • カーレド・ホッセイニ
  • 早川書房
  • 693円

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リビアの小さな赤い実物語を追いながら、以前読んだ『リビアの小さな赤い実』(ヒシャーム・マタール著)という作品を思い出していた。亡命して異国で暮らす作者や、アフガニスタンとイランという舞台設定、良心の呵責に苛まれる主人公が少年時代を追想する構成など、重なり合う部分が多いのだ。
翻訳作品を読む楽しみのひとつは、その国の文化や風土を感じられることだが、中近東を舞台にした小説には、日本とあまりに異なる情勢や慣習に驚かされる。
「人格」というものが、どのようにして形づくられていくものなのかは分からない。だが、さまざまな民族や宗教が混在する複雑さに加え、長年積み重ねられた歴史的背景、男女差や身分差などが厳然と存在する環境で生まれ育つことが、一個の人間に少なからず影響を与えることは間違いないだろう。
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『リビアの小さな赤い実』ヒシャーム・マタール

リビアの小さな赤い実本書は、リビアの特殊な政治体制の下で翻弄される人々や家族の姿を、9歳の少年の視点で描いた作品である。
最近までアメリカが「テロ支援国家」のリストに挙げていた国・リビア。政権に異を唱える者が次々と消えていく様子を、本書では「塩が水にとけるみたいに」と表現していて、ぞっとした。作者の父親も、リビアの秘密警察に拉致・拷問され、いまだその消息が分かっていないという。
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『ツォツィ』アソル・フガード

ツォツィ胸をえぐられるような痛みを伴う小説がある。
この世の醜さ・苦しさをまざまざと見せつけられ、自分の価値観が根底から揺さぶられてしまう。本書は、そんな一冊である。
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『サフラン・キッチン』ヤスミン・クラウザー

サフラン・キッチン

  • ヤスミン・クラウザー
  • 新潮社
  • 2310円

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書評

自分が「日本人」であることを強く意識する時といえば、海外へ行った時や、オリンピックなどの世界大会でスポーツ選手たちを応援する時ぐらいなのだから、本書の登場人物に比べると、本当に平穏無事に暮らしていると思う。
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『柘榴のスープ』マーシャ・メヘラーン

柘榴のスープページの間から、香辛料の独特の香りが漂ってくるような作品である。
舞台は、アイルランドの小さな村・バリナクロウ。
イラン革命を逃れてきた三姉妹が、この田舎町で「バビロン・カフェ」というペルシア料理店をオープンするところから物語は始まる。長女のマルジャーンは、おいしい料理は人に癒しと活力を与えると信じて疑わない。次女のバハールは、過去に受けた暴力が原因でナーバスになっている。末っ子のレイラーは、周りを華やかな雰囲気にする美しい少女。
突然現れたよそ者に、最初はとまどっていた町の人たちだが、おいしい郷土料理に魅せられて徐々に三姉妹を受け入れるようになっていく。本書は、文化の違いを超えた心の交流を、ユーモラスに描いた物語である。
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