『洋梨形の男』ジョージ・R・R・マーティン
- 2009年 11月21日
ホラー系統の作品を集めた、日本オリジナル編集の中短篇集。6篇中4篇は、本邦初訳である。
と言われると、ものすごく得した気分になるのだけど、そもそもジョージ・R・R・マーティンの作品を読むの自体、初めてなんだった。
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カテゴリー : アメリカ文学
ホラー系統の作品を集めた、日本オリジナル編集の中短篇集。6篇中4篇は、本邦初訳である。
と言われると、ものすごく得した気分になるのだけど、そもそもジョージ・R・R・マーティンの作品を読むの自体、初めてなんだった。
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タイトルとあらすじでスルーしてしまうところだった。
好きか嫌いか、でいうと私好みではないのだが、読んでよかったと思う。うまいなあ、という感じ。上巻に戻って読み返すと、その巧さがよりくっきりと浮き彫りになる。伏線の張り方が。ディテールの細かさが。人物造形の豊かさが。
ジャンルなんて関係ないからとにかく読み応えのあるものを、という人にオススメの小説。
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『囚われちゃったお姫さま』の続編。
この〈魔法の森シリーズ〉は全4巻あり、本書は2巻目となる。読み終えて感じたのだが、これってシリーズ化するほどでもないような気がする。のっけから否定的なレビューで申し訳ないけれど。
消えちゃったドラゴン 魔法の森2
子どもの頃、毎週楽しみに観ていたテレビ番組に、「世界名作劇場」というアニメがあった。
私にとっては、小公女も、小公子も、あしながおじさんも、本より映像の記憶の方が鮮明である。視聴率低下による放送終了を知った時にはもう、アニメに心躍らせる年齢ではなくなっていたのだけれど、一抹の寂しさを感じたのを覚えている。
もう一度、観たいなあ。本書を読んで、そんなことを思った。
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「何がバカなのよ?やらなきゃならないとなったら、できるものよ」(作中より)
お先が真っ暗に思えた時。そこで選択すべきは、「生きるか、死ぬか」ではなく、「しぶとく生きるか、みじめに生きるか」なのではないか。
どれだけ踏みつけられようとも、不運を呪いたくなろうとも、人間には絶望の淵から這い上がれる力が、必ずある。数々の苦難にもめげず、前へ前へと進み続けた主人公リリアンがそうであったように。
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サリンジャーの小説は、とっつきにくい。ただ文字を追うだけだと、何がなんだかよく分からないままに終わってしまう。
けれど、こちらがほんの少し感性を研ぎ澄ませて臨めば、驚くほど美しい世界を見せてくれる。
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愛国心が強い訳でも、アンチ・アメリカという訳でもないが、ハリウッドの終末モノ映画を見ると、きまって毒づいてしまう(じゃあ観なきゃいいのに)。なんでアメリカ人が人類代表で地球を危機から救っているんだ?え、なにか、アメリカは世界の中心とでも言いたいのか?etc…
そんな私でも、この作品のようにここまで堂々とアメリカナイズされるとかえって気持ちが良いものである。
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今年は食わず嫌いしていたSFを読もう、と思い立ち、まず手に取った一冊なのだが、むっとするような熱気に圧倒された。とても50年前に書かれたとは思えない新鮮さである。
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普通になったな。
ジュンパ・ラヒリの最新作を読んでまっさきに感じたのは、このことである。
もっとも、ここで言う「普通」とは、「凡庸」という意味ではない。作家・ラヒリの見据えるものが確実に変わってきている、ということである。
ベンガル系インド人のアメリカ移民二世であるラヒリが紡ぐ物語は、異文化の狭間で揺れ動き、アイデンティを求めてさまようインド系移民の悲哀を映し出すものが多かった。「異文化」という要素がラヒリ作品の魅力であり、強みでもあったといえる。
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たとえば、ままならない現実に愚痴をこぼしたくなる時。あるいは、なんとなくやる気の出ない時。またあるいは、将来に漠然と不安を抱えている時。
そんな時、ジャック・ロンドンの小説はよく効く。ただし、優しく慰めてくれるのではなく、「甘えんなよ!」と思いっきり張り手を喰らわされる、という意味でだが。
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ブロードウェイの喜劇王、ニール・サイモン。
名前はあまりにも有名なのに、作品を読むのは初めて。
いやあ、おもしろかった。抱腹絶倒とまではいかないけれど、随所でクスリと笑える戯曲である。
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ヘミングウェイつながりで一度は読んでみたいと思っていたフィッツジェラルド。
代表作『グレート(華麗なる)・ギャツビー』や『夜はやさし』から読むつもりだったが、今回古典新訳文庫から短篇集が出たので、まずはこちらを手に取った。
自選短編集なのでフィッツジェラルドを知るには最適だろう、と期待していたのだが、はっきり言って私には合わなかった。もうこの一文を書いただけで、フィッツジェラルド愛読者がこのブログを閉じるのが目に浮かぶ。けれど、好きになれないのだから仕方がない。
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やっぱりいいなあ、ヘミングウェイ。
作家を好きになるというのは、恋愛に似ていると思う。恋は盲目。文学的価値や他人の評価なんて関係ない。好きなものは、好きなのだ。本作に関しては、冗長過ぎる感があろうが、ロバート・ジョーダンがマリアを「ぼくの兎さん」と呼ぶたびに鳥肌が立とうが、私のヘミングウェイ作品への思いは揺らぐことはない。むしろ、欠点すらも愛しく感じてしまう。
そんな人間が彼の作品を冷静にレビューするなど、どだい無理な話なのである。
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主人公は、ジャック・ダニエルスン。金髪・青い目・高身長・フットボール選手・恋人アリと、いかにも「アメリカの高校生」といったキャラクターである。
ところがデートの夜、不気味な男と目が合ったことからジャックの人生は一変する。その話を聞いた父さんは急いでジャックを車に乗せ、時速100キロ以上のスピードでハイウェイを疾走。そんな彼らに追っ手が迫る。父さんは言う。「やつらは、ここで食い止める。お前は希望の光なんだ。逃げろ!」それでもジャックがためらっていると、父さんは自分の足を銃で撃ち、続けて告げる。「次は頭をふっ飛ばす。みたいか?いやなら逃げろ」
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「仔鹿(子鹿)物語」というタイトルに馴染んでいたので、「鹿と少年」は突き放したような素っ気なさを感じる。しかし、甘さを廃したこの作品には、こちらの邦題の方がふさわしい。ちなみに、原題は「The Yearling」で、たんに「満一歳を過ぎた動物(ここでは鹿)」である。
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ギリシア神話が現代のアメリカに甦った、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」シリーズ第三巻。
てっきり三部作とばかり思っていたのだが、あとがきによればまだ中盤らしい。いったい何巻まで続くんだ。アメリカでは、第四巻『The Battle of the Labyrinth』が最近出版されており、レビューの評価も上々で期待大。
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書評
小学生の私にとって大雨洪水警報は、まさに天から降ってくるプレゼントに思えたものだ。
警報が出れば、学校は休みになる。朝起きて外がざあざあ降りになっていようものなら、「今日はイケるんじゃないか」と淡い期待を胸に、登校時間ギリギリまで粘っていた。同じように、風邪が流行って学級閉鎖になったときもはしゃぎ回っていた。
もちろん、子どもたちを学校から解放することが、警報や学級閉鎖の目的ではない。困っている人たちを尻目に、己のちっぽけな喜びに浮かれていたのだから、なんて不謹慎だったのだろう。それでも、学校嫌いの子どもにとってはそこから一時でも逃れられれば、なんだって嬉しいものなのだ。
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アメリカ人にとって、南北戦争は核になっていると思う(実際に尋ねたことはないが)。
南北戦争によっていまのアメリカが形作られ、戦争のずっと後に産まれた世代の体を流れる血にも、当時の記憶のようなものが脈々と受け継がれているのではないか。
牧歌的でユーモア溢れる『シカゴよりこわい町』、『シカゴより好きな町』から一転して、『ミシシッピがくれたもの』は、歴史の重みと人々の悲しみの深さを感じられる作品である。
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うそをついてはいけません。
ものごころついてから今まで、この言葉を何度見聞きしたことだろう。おとぎ話や昔話にも、うそをついた者の悲惨な末路が数多く描かれている。たしかに、うそは人を傷つける。世間を騒がせた食品偽装や耐震偽装といった“うそ”は、人の命にかかわるだけに見過ごすことはできない。
けれど、うそは本当にいけないものなのだろうか。うそで寂しさを紛らわせ、いっときの夢を見ることができる。うそで包まれた本心に目を向けることが大事なのではないか。そんなことを考えさせてくれる一冊である。
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舞台は、禁酒法時代のとある田舎町。
噂話が大好きな人々の暮らすのどかな町が、都会っ子の兄妹にとってはアル・カポネらギャングがはびこるシカゴよりもこわい場所だった。なぜならそこには、豪胆で型破りなおばあちゃんがいるから。
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書評
「ウィーツィ・バットブックス」最新刊である。
『ウィーツィ・バット』が誕生したのが1989年、日本で翻訳出版されたのがその10年後。それから約10年の歳月が流れた今、懐かしい仲間と再会できるのは、ほんとうに嬉しい。しかも、これまでの登場人物ほぼ総出演の豪華さ。
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いわゆる「ロス疑惑」と呼ばれる事件を巡る報道で私が最も関心をもったのは、「真実は何か」ということではなく、「アジア特捜隊」なる存在だった。専門部署を設けるほど、アメリカにはアジア人(の犯罪)が多いという事実に驚いたのだ。その時はそれ以上深く考えなかったのだが、本書を読んでふっと思い出した。
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舞台は、1931年のパリ。
主人公は、駅の中に隠れ住むユゴー・カブレという孤児だ。手先の器用な彼は、壊れた時計やおもちゃを直すのはお手のもの。そんな彼がどうしても直したいのが、亡き父が遺した一体のからくり人形だ。ユゴーがからくり人形に秘められた謎を探り始めたとき、運命の歯車はゆっくりと動き出す。
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真夜中12時。
それは、秘密の時間。世の中のすべてのものが凍りつく時間。ミッドナイターと闇の生き物だけが活動する時間。
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この作品は好きで、折に触れて読み返す。
設定もストーリー展開もごくありふれたものなのに、「宇宙のすみっこをめくってみる」というフレーズが出てくると、一瞬にして輝きを放つから不思議である。
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製本の先生に薦められて読んだ一冊。
この作品は、1966年11月に起こったフィレンツェ大洪水と、被害を受けた書物や絵画などの芸術作品を救うため、世界中から終結したボランティアのエピソードが背景になっている。
以前、水浸しになった本の写真を見たことがあるが、ひどい有り様だった。紙が水に濡れるとどんな状態になるか、だいたい想像できると思う。表紙は痛み、ページは膨張してところどころ破れている。修復後の写真も見たが、元通りとはいえないまでも、あの状態がよくここまで、というくらい見事に修復されていた。そこからは、修復家たちの執念がひしひしと伝わってきた。
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主人公は、ヘンリーという名前の11歳の少年。
兄を事故で亡くした悲しみから立ち直れない両親を助け、町の食料品店で必死に働く。ある日彼は、ナチス・ドイツの強制収容所を生き抜いた一人の老人と出会う。老人は、木彫りのミニチュア人形で、失われた故郷の村を甦らせようとしていたのだ。
その姿に心を打たれた彼は、意地の悪い雇い主の店主に、うっかり老人のことを話してしまい、ある選択を迫られることになる。
本書は、心の優しい少年が日常の中に潜む悪に直面し、たった一人で立ち向かう姿を描いた物語である。
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ゴールド・ラッシュに沸くアラスカでは、通信手段として犬橇が用いられていた。カリフォルニアの屋敷で何不自由なく暮らしていた大型犬バックは、使用人の裏切りによって極北の大地で橇犬にさせられる。
本書は、弱肉強食の厳しい世界に突然放り込まれた一匹の犬が、恵まれた体躯と知恵でたくましく生き抜いていく物語である。
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主人公のウィルは、11歳の少年。
父親が失業したため、家族で祖父の農場に身を寄せることになったが、両親は言い争ってばかり。そんな中、頼りにしていた祖父まで心臓発作で倒れる。さらに追い討ちをかけるように、ウィルが腹立ち紛れに撃った弾が運悪くガンに当たり、瀕死の重傷を負わせてしまう。
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大好きなヘミングウェイの、あの『武器よさらば』を、金原瑞人さんが訳す!
光文社古典新訳文庫のラインナップにこの作品が挙がった時、私は密かに喝采を叫んだ。大久保康雄訳が手元にあるとはいえ、ヘミングウェイを好きだと公言している訳者の手による新訳には、期待が高まる。去年新潮文庫から高見浩訳が出た時は、熟慮の末見送ったが、今回は迷わず購入。
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ギリシャ神話をモチーフにしたファンタジー「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」シリーズ第2作目となる本書は、前作から一年後の物語である。
前作で神々の内乱を防いだポセイドンと人間のハーフであるパーシーは、またしても学校で怪物に襲われる。慌てて逃げ戻ったハーフ訓練所では、タレイアの松が何者かに毒を盛られ枯れかかっていた。さらに、捜索者となったサテュロスのグローバーが、助けを求めてパーシーの夢に出てくるように。
タレイアの松を復活させる魔法の道具の獲得と、囚われの身となったグローバーの救出のため、パーシーの冒険の旅が始まる。
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舞台は、1969年のアメリカ。
十三歳の少年・マークは、ベトナムへ従軍した兄への嫉妬と対抗心、国に対する忠誠心から、愛犬・ウルフィーを軍用犬として差し出すことを決意する。はじめは誇らしい気持ちでいっぱいだったマークだが、伝えられる戦況や、周りの人々の意見を聞くにつれて不安になっていく。
本書は、主人公がさまざまな価値観に触れる中で、悩みながら自分の頭で考え、成長していく姿を描いた物語である。
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コーミアの名を一躍世に知らしめた問題作、『チョコレート・ウォー』はおもしろかったが、どちらかというと本書の方が私の好みだ。
手に汗握る緊迫感。
息詰まる葛藤。
予測のつかない展開。
まるでジェットコースターに乗った時のような、スリルと興奮を味わうことができる。
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ゼウス、ポセイドン、アテナ、ヘルメス・・・。
ご存知、ギリシャ神話に登場するオリンポス12神の神々である。西洋文明の源であるギリシャ神話。これが“神話”ではなく、神々が21世紀の現在に存在するとしたら?それも、アメリカに移り住んでいるとしたら?
本書はそんな奇想天外な発想から生まれた、アメリカ発のファンタジーである。
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書評
23の作品が収められている。
作者は、アメリカ生まれのジュディ・バドニッツ。大学創作科在学中に、処女短篇集となる本書を発表し、高い評価を得たという。26歳の若さでこの完成度。私はプロの物書きではないが、彼女の才能には嫉妬してしまう。
久しぶりに小説家らしい人物に出会えたな、というのが最初の作品・「犬の日」を読んだ印象だった。正確な定義は知らないが、私の中で「作家」と「小説家」は違うものだ。「作家」は広義の物書きで、「小説家」は、日常を非日常に変えてしまうような世界を創り出す人のこと、と勝手に解釈している。
この「小説家」の中には、日常の何気ない瞬間を切り取る者や、「物語」を作る者などさまざまいるが、バドニッツの場合は、後者。といっても一つ一つの作品が物語として完結しているかというとそうではなく、完成するギリギリのところで踏み止まっているように感じられる。作品としては一応終わるものの、物語はまだ続いているという感覚なのだ(もっとも、しっかりオチのついた作品もあるが)。
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「アンチエイジング」なる言葉が、日常的に人々の間で使われるようになって久しい。
テレビをつけると、“若く・美しく”なるための化粧品やサプリメントのCMが流れ、街にはその手の商品やサービスが溢れている。
これら一連の現象に、人々の老いに対する異常なまでの恐怖が透けて見えてならない。この状況が行き着くところまでいってしまった世界が、本書である。
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家族の物語である。
幸せな過去の記憶に浸りながらはかない夢を見る、子ども思いの母親・アマンダ、脚の障害にコンプレックスを抱いて、内にこもるようになった娘・ローラ、惨めな生活から飛び出していこうとする息子・トム。
立場や性格の異なる3人の家族を中心に、追憶劇として物語は展開する。
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主人公は、ジェニファーという名のローティーンの少女。
彼女は自分の顔に自信がなく、綺麗になりたいといつも願っている。
本書は、ひょんなことから“マジックショップ”でいわくつきのヒキガエルを買った少女が体験する不思議な物語だ。
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主人公は、初老の男性。
家業である造園業を息子に譲り、自身はセスナ機での飛行を楽しむ。空を飛んでいる間は、開放的な気分になるが、地上に戻ると厄介な問題が彼を待ち受ける。
妻を亡くし、長く付き合っていた恋人は彼の元を去っていった。年老いた父はかつての輝きを失い、息子の経営は上手くいかず、娘は病に侵される。
空に飛び立つことで現実逃避していた男が、問題と真正面から向き合うようになり、地上での幸せを見つけていく。家族の崩壊と再生を描いた物語。
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黒い背景に浮かびあがる、黄色い線で描かれた鳩。ぎょろりと丸い目がこちらをじっと見つめている、印象的な表紙である。
タイトルは、「ひねり屋」。ひねり屋とは、鳩の首をひねる者のことを指す。
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フランチェスカ・リア・ブロックといえば、『ウィーツィ・バット』シリーズが有名だが、彼女の作品をまだ読んだことがないという方は、まず、この『“少女神”第9号』を手に取ってみてほしい。
本書は、ブロックのクールな作風を、さまざまな物語で楽しむことができる、実に「お得」な一冊なのだ。ブロックの魅力がギュッと詰まったベスト版といっても過言ではないだろう。彼女の作品はほとんど好きだが、その中でも本書は、自信を持っておすすめできる。
もっとも、人によって好みは違うので、彼女の独特の世界観が気に入るかどうか、本書で確かめてみたらどうだろう。
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「今まで読んだ中で、一番好きなYA作品は何か」という問いには正直決めかねてしまうが、「最も印象に残った作品は」と問われれば、私は即座にロバート・コーミアの『チョコレート・ウォー』を挙げるだろう。
『チョコレート・ウォー』は、私がYAにのめり込むきっかけとなった、忘れられない一冊だ。
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「礼節ある良き日系アメリカ人」として、周囲の人々から尊敬と人望を集める老人、ドク・ハタ。満ち足りた生活を送っているように見える彼の心には、ある忘れられない過去が影を落としている。
在日コリアンとして生を受け、日本人夫妻の養子となり、戦後アメリカへ渡る。常に「アウトサイダー(よそ者)」という意識から逃れられず、心の内は孤独だ。
原題が“A Gesture Life”とあるように、彼は体裁と礼儀で周囲に溶け込もうと懸命に努力する。ここが自分の「最後の場所」と決めて骨を埋めようとする姿が、読んでいて切なく、悲しい。なぜなら、いくら年月が過ぎようとも、どこも彼の心の安住の地にはならないから。
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乱読・積読・併読の本の虫による書評。 海外文学、歴史、YAなど。
Author’s Name:ぐら
長年愛読していた日経新聞に嫌気がさしたので、おもいきって他紙に変えてみた。にしても、ワイドショーと大差ない政治面はどうにかならんものかねぇ。。。(9.1)