『鹿鼎記(全8巻)』金庸
- 2010年 1月19日
とかくヒーローという存在は応援したくなるものだが、本作の韋小宝(い・しょうほう)は到底読者の支持を得られそうにない。
好きなものは女と金と博打。勇気も根気もなく武芸はからきしだが、要領の良さと口の悪さは天下一品。
こういう人間はいつか天罰が下りそうに思うのだが、それどころか天下の康熙帝の心を掴んで順調に出世し、他方で反清復明を掲げる英雄好漢たちに一目置かれる存在にまでなってしまう。
続きを読む
カテゴリー : アジア・中国文学
とかくヒーローという存在は応援したくなるものだが、本作の韋小宝(い・しょうほう)は到底読者の支持を得られそうにない。
好きなものは女と金と博打。勇気も根気もなく武芸はからきしだが、要領の良さと口の悪さは天下一品。
こういう人間はいつか天罰が下りそうに思うのだが、それどころか天下の康熙帝の心を掴んで順調に出世し、他方で反清復明を掲げる英雄好漢たちに一目置かれる存在にまでなってしまう。
続きを読む
近年、グローバリズムの負の側面がさかんに取り上げられるようになってきたが、本書もその流れを汲んだ一冊といえるだろう。ドキュメンタリーよりも生々しい現代インドの姿が、ここにある。
続きを読む

あなた、女難の相が出てますよ。
もし、主人公・張無忌(ちょう・むき)が街角の占い師の前を通り過ぎたら、こんな言葉で呼び止められるのではないだろうか。
愚鈍で妻に頭が上がらない郭靖と、一途に突き進むがために周りと衝突する楊過。彼らの欠点なんて、たいしたことなかったな。と、思えてしまうほどのへたれキャラである。腕は立つが、優柔不断で騙されやすい。「よき指導者ではないが、いい友達にはなれると思う」と作者にフォローを入れられているところが、なんだか情けない。こんな男が射鵰三部作のラストを飾っていいものなのか。
続きを読む

「読み出したら止まらない」という帯の謳い文句すら生ぬるく感じてしまう私は、完全に金庸ワールドの虜である。全作品を読破するまで、この熱は冷めないと思う。
本棚を他人に見られるのは脳内を覗かれるようで落ち着かないものだが、ネット書店の購入履歴を自分で見てもかなり恥ずかしい。いま金庸に夢中なのがバレバレだ。
考えてみれば、歴史好き、三国志好き、格闘技好きの私が武狭小説にハマらない訳がないのである。月並みな表現だが、とにかく「おもしろい」のひと言に尽きる。久しぶりに爽快な(といっても連日寝不足だが)読書を堪能した。
続きを読む
すさまじい一冊である。
樹齢数千年の〈神樹〉の突然の開花から始まる物語は、近代中国の歴史と過酷な運命に翻弄されてきた民衆の姿を鮮明に映し出す。もっとも、「鮮明に」とは、上品過ぎる表現かもしれない。ここで描かれる情景はあまりにも生々しく、いまにも血と涙が流れ出してきそうなのだから。
北京五輪の開会式で繰り広げられた、中国五千年の歴史絵巻が記憶に新しい。文字の発展や大航海の始まりなど、あちらが中国の輝かしい歴史だとすれば、こちらはいわば影の側面を描いたものといえるだろう。
続きを読む
本書は、南インド・タミル地方で(諸説あるが)5~6世紀頃に書かれた箴言詩集の全訳である。日本では、古墳時代~飛鳥時代にあたる。
作者は、詩人のティルヴァッルヴァル。私の調べた限りでは、日本で読めるティルヴァッルヴァルの作品は、この一冊だけだと思う。
続きを読む
乱読・積読・併読の本の虫による書評。 海外文学、歴史、YAなど。
Author’s Name:ぐら
長年愛読していた日経新聞に嫌気がさしたので、おもいきって他紙に変えてみた。にしても、ワイドショーと大差ない政治面はどうにかならんものかねぇ。。。(9.1)