『落葉』G・ガルシア=マルケス
- 2007年 6月7日
- ガブリエル・ガルシア=マルケス
- 新潮社
- 2520円
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書評
高校生の頃、死ぬのが怖くてたまらなかった。
身近にいる人が亡くなった訳でも、逼迫した状況にあった訳でもない。将来のことをぼんやり考えていると、急に“死”が現実的なものとして迫ってきたのだ。目の前にはいくつかの選択肢があり、この先どんな人生を歩んでいくのかは不確かなものだったが、ただひとつ、「自分が死ぬ」ということだけは100%確実な未来だった。もしかしたら5分後には心臓が止まってしまうかもしれない。自分のすぐ側にある“死”の存在に気づいた時、ぞっとした。勉強、人間関係、クラブなど、他に悩むことはたくさんあったのに、最も私の心を占めていたのはこのことだった。
多分、「死ぬこと」そのものよりも、その先に何があるか分からないことが恐怖だったのだと思う。テレビの電源を切るようにプツンと消えてしまうのか、違う世界が広がっているのか。“死”がいつやって来てもおかしくないのに、家族や友だちが平然としていられるのが不思議だった。この時ほど、孤独を感じたことはない。
この頃本書に出会っていたら、私の心はいくらか軽くなっていたと思う。
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