カテゴリー : 国内文学

『哄う合戦屋』北沢秋

哄う合戦屋

  • 北沢秋
  • 双葉社
  • 1470円

Amazonで購入
書評


合戦の度に、単騎でいくさをしているような功名を重ねていながら、烏の群れに紛れ込んだ鵜のように一徹はいつも一人きりだ(P.133)

し、渋い。渋すぎる…。
内容はいたって地味なので、志村貴子のカバー絵と杏の帯文という強力なプッシュがなければ、歴史・時代小説コーナーの奥でひっそりと眠っていそうな一冊である。戦略というものを題材にした作品だが、出版社および書店サイドの売り込みのうまさにあっぱれ。
とはいえ、中身はけっしてお粗末なものではない。むしろ、想像以上におもしろかったのでちょっと吃驚してしまった。人材活用自己実現についてしみじみと考えさせられる戦国小説である。
続きを読む

『蘭陵王』田中芳樹

蘭陵王小説よりも、漫画か映像で描いてほしい悲劇のイケメン王の物語。
続きを読む

『小太郎の左腕』和田竜

小太郎の左腕草食系男子のみならず、近頃では弁当男子、スイーツ男子、はたまたレギンス男子なんてのまでいるそうな。
ステレオタイプな“男らしさ”に捉われず、自分らしく生きるのは大いに結構。ただ、ちょっと軟弱過ぎやしないかい。ガツガツした男もどうかと思うけど、ザ・肉食系とでもいうべき戦国武将に惹かれる“歴女”の気持ちも分からないでもない。
そんな女性陣の不満を代弁…した訳じゃないだろうが、乱世に生きる男たちの葛藤を描いた男臭い小説が、本書。
続きを読む

『びんぼう神様さま』高草洋子

びんぼう神様さま年じゅう金欠でぴいぴい言っているからか、タイトルに引き寄せられるように手に取ってしまった。
でもよく見ると、びんぼう神に「様」がついている。それでは足りぬとばかりに、もひとつ「さま」が。
貧乏神(平仮名から漢字にするだけで、どうしてこんなにも辛気臭くなるんだろう)って、疎んじられることはあっても崇め奉られることなんて、まあないと思う。浅田次郎の『憑神』じゃないけど、貧乏神・疫病神・死神の3トップは、できればお近づきになりたくないもの。
・・・というこれまでの考えを、見事に一変させてくれたのが本書である。
続きを読む

『かあちゃん』重松清

かあちゃんある女性の26年にわたる贖罪の年月が、いじめで級友を自殺未遂に追いやった中学生たちや、彼らを見守る教師の内面にさざ波のように広がっていき、確かな変化をもたらすようになる。
その波紋を、語り手を替えて紡いだ連作短篇集が本書。
続きを読む

Page 1 of 2412345...1020...Last »