カテゴリー : アンソロジー

『くだものだもの』俵万智 選

くだものだもの (ランダムハウス講談社文庫 た 2-1)くだものだもの。「にんげんだもの」より、語呂がいい。思わず口の中で言葉を転がしてしまう。
本書は、くだものが出てくる作品を集めたアンソロジーである。短篇小説からエッセイ、詩、落語まで各種取り揃えた、くだものづくしの32篇だ。選者は、歌人の俵万智さん。
普通、アンソロジーというのは一つ一つの作品が独立しているので、どこから読んでも自由である。が、本書は違う。俵さんいわく、「ぜひ、一ページ目から順番に読みすすめてください。そのほうが、きっとおもしろく読めると思います」の、ちょっと変わった一冊なのだ。作品の選別だけでなく、その並べ方にも工夫が凝らされた本書は、すっかり俵万智さん色に染まっている。
続きを読む

『おいしい話 料理小説傑作選』

おいしい話―料理小説傑作選 (徳間文庫)「おいしい話」と大きく書かれたタイトルの誘惑に負けて、思わず購入。出版社側の思惑にまんまとはまってしまったようで悔しいが、食べものが出てくる物語が好きなのだから仕方がない。
本書には、12人の作家による料理短篇小説が収められている。
シチュー、ぶり大根、鮟鱇鍋、鶏肉の煮込み、ババロワ、中華粥、コンソメ、カキ氷、いのしし鍋、たこやきなど、前菜からデザートまで幅広い料理が登場する。
続きを読む