『かあちゃん』重松清
- 2009年 11月14日
ある女性の26年にわたる贖罪の年月が、いじめで級友を自殺未遂に追いやった中学生たちや、彼らを見守る教師の内面にさざ波のように広がっていき、確かな変化をもたらすようになる。
その波紋を、語り手を替えて紡いだ連作短篇集が本書。
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カテゴリー : サ行の作家
ある女性の26年にわたる贖罪の年月が、いじめで級友を自殺未遂に追いやった中学生たちや、彼らを見守る教師の内面にさざ波のように広がっていき、確かな変化をもたらすようになる。
その波紋を、語り手を替えて紡いだ連作短篇集が本書。
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亡き妻のふるさと〈希望ヶ丘〉に引っ越してきた父子。が、再出発の決意を胸に暮らし始めたニュータウンは、けっして住みよい理想郷ではなかった。
いじめ、モンスターペアレント、家族の確執…。画一的で安定した世界に生じた、閉塞感やひずみに直面する住民の姿を描いた作品。
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重松清の描く歳時記・「季節風」シリーズも、この冬編で完結となった。
『ツバメ記念日』から、『僕たちのミシシッピリバー』、『少しだけ欠けた月』を経て、『サンタ・エクスプレス』へ。四季の中にある物語を感じたのか。それとも、物語を通して四季に触れたのか。
どうやら日本人ひとりひとりの記憶と季節は、思っている以上に密接に結びついているみたいだ。例えば音楽を聴くと当時の想い出がぐわぁっと蘇ってくるように、折々の風物詩は記憶のフックのような役割を果たしているのかもしれない。
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「季節風」シリーズの秋篇である。
もうすぐ桜も咲こうかというこの時期に読むのはどうかと思うが…。
秋になると、きまって何かを始めたくなる。
普通は新年なのかもしれないが、なんといっても芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋なのだ。暑くもなく寒くもなく、花粉に悩まされることもない。過ごしやすく、もの思う頃である。
ものぐさの私が最もアクティブになる季節なのだが、重松ワールドの住人たちはここでも切なさと哀しみをかみしめ生きている。
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「季節風」シリーズの夏篇。
夏を描いた短篇といえば、「サマーキャンプへようこそ」(『日曜日の夕刊』所収)が真っ先に思い浮かぶ。私の一番好きな作品で、読み返すたびに笑ってしまう傑作だ。ほんとうに、情けない父親(だけど子ども思い)を書かせたら日本一の作家だと思う。
そんな「サマーキャンプ~」の印象が強烈だったので、楽しく明るい短篇集を期待して読み始めたのだが、意外としんみりした作品が多くて驚いた。
本書で色濃く影を落とすのは、「死」と「別れ」である。悲しい中にも、ひと筋の光が投げかけられており、読後、心にあたたかいものが広がっていく。開放的で爽やかな夏のイメージが一変するような、重松流・夏の12の物語。
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春という季節からは、どんなイメージが思い浮かぶだろうか。
芽吹き、桜、出会いと別れ、巣立ち、新出発・・・。他にもいろいろあるだろうが、そんな春の風景を一冊に閉じ込めたのが、本書である。これと似た短篇集でいえば、『卒業』だろう。
『ツバメ記念日―季節風 春』は、産経新聞に連載されていたものを書籍化したもの。今後3ヵ月ごとに、夏、秋、冬と、続々刊行される予定だという。重松清の描く日本の歳時記、といったところだろうか。
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自慢ではないが、私はゲームに疎い人間である。
退屈を紛らわせるため機内に備え付けのゲームをしていたら、隣の人に「コントローラー、逆さまですよ」と言われるぐらい、致命的に疎いのだ。もちろん、いまどんなゲームが流行っているかなんて知るはずもない。
そんな私でも、RPGが何の略でどんなものかという知識ぐらいは持ちあわせている。それでも、ひとつのゲームを作るために、キャラクターの性格から趣味嗜好、バックボーンに至るまで細かく設定するものだとは知らなかった。
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重松清さんの作品が好きで、よく読む。
彼の作品を読むと、人間の弱さやずるさすら愛しく感じる。そんな重松さん節を堪能できるのは、やはり長篇小説である。
物語の舞台は、北海道。
丘の上で満天の星空を見上げた4人の子どもたちは、30年後、ある痛ましい事件がきっかけで、再び思い出の地に集うことになる。無邪気に未来を夢見ていた子どもは、もういない。故郷を捨てた一人は病魔に侵され、地元に残った一人は経営難と闘い、紅一点の一人はその伴侶となり、ムードメーカーだった一人は東京で独り身を貫く。人生の半ばを迎えた彼らは、「死」という現実を前にして、過去を振り返り、やがて未来に目を向けるようになっていく。
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こんなプロローグで始まる17の物語。主人公はすべて、小学五年生の男の子。40代の中年男性と10歳前後の少年を主人公にした小説は、重松清さんの十八番といえるだろう。
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猛暑である。
もはや、冷房なしではいられない体になってしまった。テレビから連日のように流される各地の映像は、暑さを助長させるだけにしか思えない。「“暑い”って言うから余計暑くなるんだ!」と画面に向かって毒づきたくなる。どうやらこの暑さで、気持ちにも余裕がなくなってしまったようだ。
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重松清さんらしい作品だ。
子どもの残酷な面を描きつつ、ひとりひとりを見守る目はとてもあたたかい。それは、作中に登場する、後輩に煙たがれる虚勢を張った少年にも、平等に注がれている。
本書は、11話からなる連作短編集だが、各編を章に見立てたひとつの物語ともいえる。テーマは、「友だちとは何か」。
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昭和30年代、東京の下町。
語り手の少女・和歌子は、母と姉の三人で、仲睦まじく暮らしていた。病弱で美しい姉の鈴音とは、仲の良い姉妹だ。ただ普通と違うのは、姉には、人や物の記憶が「見える」不思議な能力があるということ。
その能力をきっかけにして姉妹が出会ったさまざまな人々を描いた、5つの連作短編集。
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たいして期待せずに読み始めたのだが、なかなかおもしろかった。
タイトルと表紙から少女漫画のようなロマンティックな物語を想像していたので、内容との落差にびっくり。
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日本のYA作家といえば、あさのあつこ、森絵都、上橋菜穂子などが有名だが、このジャンルの先駆けともいえる佐藤多佳子の存在を忘れてはいけない。
彼女は、『サマータイム』、『イグアナくんのおじゃまな毎日』など、10代の少年少女たちの日常を瑞々しい感性と爽やかな筆致で描き出している。本書は、その実力が遺憾なく発揮された青春小説である。
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主人公・吉田幸子の職業は、占い師。
ルイーズ吉田と名乗って、ショッピングセンターの片隅で店を構え、一人20分3千円で訪れる人の未来を占っている。
彼女は、占いをはじめた当初は、名前や誕生日を聞き、画数を調べ、表から数値を割り出して、占い本を駆使しながら真面目に占いをしていたが、そのうちに面倒くさくなり、自分の直感で占うようになった。やり方は簡単。明るい未来と暗い未来を7:3の割合で話して、当たり前のことをそれらしい顔で言うだけ。占いは結局話術なのだ、と割り切る彼女のところには、なぜか当たると評判になり客足は絶えない。
本書は、ルイーズ吉田と、彼女の元へ訪れた迷える人々との交流を描いた物語である。
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乱読・積読・併読の本の虫による書評。 海外文学、歴史、YAなど。
Author’s Name:ぐら
長年愛読していた日経新聞に嫌気がさしたので、おもいきって他紙に変えてみた。にしても、ワイドショーと大差ない政治面はどうにかならんものかねぇ。。。(9.1)