カテゴリー : タ行の作家

『蘭陵王』田中芳樹

蘭陵王小説よりも、漫画か映像で描いてほしい悲劇のイケメン王の物語。
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『びんぼう神様さま』高草洋子

びんぼう神様さま年じゅう金欠でぴいぴい言っているからか、タイトルに引き寄せられるように手に取ってしまった。
でもよく見ると、びんぼう神に「様」がついている。それでは足りぬとばかりに、もひとつ「さま」が。
貧乏神(平仮名から漢字にするだけで、どうしてこんなにも辛気臭くなるんだろう)って、疎んじられることはあっても崇め奉られることなんて、まあないと思う。浅田次郎の『憑神』じゃないけど、貧乏神・疫病神・死神の3トップは、できればお近づきになりたくないもの。
・・・というこれまでの考えを、見事に一変させてくれたのが本書である。
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『草祭』恒川光太郎

草祭デビュー作『夜市』を読んだとき、最初にこれだけ完成度の高い作品を出したら後がキツイだろうな、とぼんやり思っていた。
が、そんな私の要らぬ心配をよそに、恒川光太郎の紡ぐ物語はより芳醇に、より妖しく深化している。久しぶりに手に取った恒川作品は、怖いぐらい魅せられてしまう傑作であった。
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『悼む人』天童荒太

悼む人『おくりびと』のアカデミー賞受賞に、『悼む人』の直木賞受賞。
映画と文学という違いこそあれ、「死」を真正面から取りあげた二作品が国内外で高い評価を得たことに、時代の変化を感じる。
完成に7年。真摯に死と向き合った試行錯誤の跡がうかがえる力作だと思う。が、釈然としない思いが残る。
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『赤めだか』立川談春

赤めだかこれ、おもしろかったよ、と薦められたので読んでみた。
評判の一冊、らしい。著者は、立川談志のお弟子さん・立川談春。

朝ドラ史上屈指の名作「ちりとてちん」で落語のおもしろさに目覚めたとはいえ、まだまだ若葉マークの私。立川談志は知っているが、漫談しか聴いたことがない。そういえばこの人、落語家なんだったっけ、という失礼な認識である。
そんな訳だから、立川談春の高座はおろか、名前を聞くのも初めて。どうやら本書、彼の落語家人生を綴ったものらしい。知っている落語の根多(ネタ)もわずかな上に、談春って誰?というレベルの私が手に取っておもしろいのだろうか、と恐る恐る読み始めたところ、これがハマった。行間がゆったりと取られて文字数が少ないので、とても読みやすい。もっとも、あっという間に読み終えてしまうのは、その内容に引き込まれてしまうからなのだが。
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『赤い糸の電話』立原えりか

本書には、11篇の物語が収められている。
立原えりかさんの作品は、優しさの中に現実の痛みが潜んでいることは、以前のレビューで触れた。ここには、昔助けられた恩を忘れなかった動物と人との交流を描いた「ねこのおんがえし」「一月のウグイス」といった心あたたまる物語もあるが、全体的に切なくて毒のあるものの方が多い。
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『秋の牢獄』恒川光太郎

秋の牢獄赤と黄に彩られたカバーをめくると、柿色の表紙が目に飛び込む。花布は渋い緑、しおりはこげ茶。和の色でまとめ上げられた装丁は、秋のイメージそのままである。見返しの使い方もおもしろい。装丁は、片岡忠彦氏。
本書は、その装丁が表現しているように、和の雰囲気が色濃く漂う和製ファンタジーである。いや、ホラーといってもいいかもしれない。デビュー作・『夜市』ほどのインパクトはないものの、ひそやかな中に底知れぬ闇の広がる世界は、独特である。
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『ほんものの魔法』立原えりか

ブックオフへ行くと、たまに掘り出しもの(あくまで私にとっての)に出あえるのが嬉しい。100円コーナーの棚にあった本書を見つけて、速攻でレジへ持っていった。
立原えりかさんの作品は、とにかく絶版が多いのだ。子どもの頃読んだあの物語をもう一度…と思っても、いま手に入れるのが難しい。
本書は、青土社から刊行された「立原えりかのファンタジーランド 全16巻」の15巻目にあたる。収録作品は、「町のあかり」「生姜入りパンを焼く日」「優しい幕間」「十万粒のなみだ」「夜の舟のり」「ほんものの魔法」「南の海のものがたり」「飾り窓」「愛の誓い」の9篇。
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『光抱く友よ』高樹のぶ子

光抱く友よ (新潮文庫)芥川賞受賞の表題作と、「揺れる髪」「春まだ浅く」の三短編を収録した作品集。
友情、親子愛、男女の愛、と扱うテーマはそれぞれ異なるものの、三編とも他者との関わりという問題を深く追求した作品である。
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『柳生双剣士』多田容子

柳生双剣士読後、著者の若さに驚いた。「時代小説」イコール「中高年の男性が好む本」というイメージがあるせいか、このような硬派な作品を若い女性が書くことに、目新しさを覚えたのだ。
もっとも、本書は単なる物珍しさだけではない。内容もしっかりと作り込まれており、読み応えがある。
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『夜市』恒川光太郎

夜市今宵は夜市が開かれる。

書き出しの一文を読むだけで、すうっと、物語に引き込まれる。「夜市って何?」と疑問に思った者はすでに、この作品の持つ不思議な力に魅入られているのだ。
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『ウルトラ・ダラー』手嶋龍一

ウルトラ・ダラーついに、北朝鮮が地下核実験を行った。
拉致、麻薬、偽札作り、と国家主導で犯罪に手を染め続ける半島の暴挙に、予想通りという思いと、ここまで来たか、という失望と、今後に対する不安とが入り交じり合っている。
そんな情勢の中読んだ本書は、ひと際感慨深いものがあった。NHK前ワシントン支局長であり、現在外交ジャーナリストのバックグラウンドを持つ著者の手による本書は、豊かな経験と資料に裏打ちされて、圧倒的なリアリティをもって読み手に迫ってくる。出版と同時にベストセラーとなったのも、十分納得できるものだ。
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