カテゴリー : 国内文学

『松林図屏風』萩耿介

松林図屏風ときは、安土桃山時代。
狩野永徳率いる狩野派全盛期に独自の画風を極めた、絵師・長谷川等伯を主人公にした歴史小説である。タイトルとカバーに使われている「松林図屏風」をはじめ、作品の多くは重要文化財に指定されている。
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『希望ヶ丘の人びと』重松清

希望ヶ丘の人びと亡き妻のふるさと〈希望ヶ丘〉に引っ越してきた父子。が、再出発の決意を胸に暮らし始めたニュータウンは、けっして住みよい理想郷ではなかった。
いじめ、モンスターペアレント、家族の確執…。画一的で安定した世界に生じた、閉塞感やひずみに直面する住民の姿を描いた作品。
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『望郷の道(上・下)』北方謙三

望郷の道〈上〉望郷の道〈下〉待っていた、なんてものじゃない。むしろ、遅かったじゃないか、という思いの方が強い。
本作は、日本経済新聞朝刊に約一年にわたって連載されていたものである。
新聞小説なんて暇つぶしにざっと目を通す程度だったのに(作家の皆さま、ごめんなさい)、これにはハマった。こんなに夢中になって小説を読んだのは、いつ以来だろう。最初はなんとなく続きが気になり読んでいたのが、やがて記事をそこそこに切りあげるようになり、一面の前にまず文化面、となるまでさほど時間はかからなかった。
朝が苦手な私が爽快なスタートを切れたのは、ひとえにこの小説のおかげだ。二分冊のボリュームが意外なほど、まったく長さを感じさせないおもしろさである。
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『革命のライオン―小説フランス革命1』佐藤賢一

革命のライオン (小説フランス革命 1)西洋歴史小説の雄・佐藤賢一が、満を持して手がける新作。全10巻(予定)という壮大な構想で描くフランス革命の幕開けである。
おお、ついに来たか。読む前から作者の気迫を感じられようというもの。社を挙げての刊行なのか、公式サイトも力が入っている。18世紀フランスの閉塞感、革命前夜の不穏な気配を描いたのが本書。
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『草祭』恒川光太郎

草祭デビュー作『夜市』を読んだとき、最初にこれだけ完成度の高い作品を出したら後がキツイだろうな、とぼんやり思っていた。
が、そんな私の要らぬ心配をよそに、恒川光太郎の紡ぐ物語はより芳醇に、より妖しく深化している。久しぶりに手に取った恒川作品は、怖いぐらい魅せられてしまう傑作であった。
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