カテゴリー : 国内文学

『夕陽の梨 五代英雄伝』仁木英之

夕陽の梨―五代英雄伝殷・周・秦・漢・三国・晋 南北朝・隋・唐・五代~♪
これを、「もしもしかめよ かめさんよ」の童謡の節にのせて歌うと、あら不思議。どんなに記憶力の悪い人でも、中国の歴代王朝が時代順にすらすらと出てくる。
学生時代この替え歌で、幾度試験を乗り切ったことか。ただ、この暗記法の欠点は、最初から歌わないと中華人民共和国まで辿り着けないことである(ちなみに、「かめさん」バージョンより細かいアルプス一万尺のメロディで覚えていた友達もいた)。中国の歴史替え歌を知っているかどうかで、その人の年齢が分かるとか分からないとか。
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『ヴィヴァーチェ 紅色のエイ』あさのあつこ

ヴィヴァーチェ  紅色のエイ (銀のさじ)・・・続くのか!
ほとんど予備知識のないまま読み始めたので、本編と関係のないところでびっくりしてしまった。それにしても、一体何巻で完結するのだろう。
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『風花』川上弘美

風花ある日、匿名の電話がかかってきて、こう告げられる。
お宅の旦那さん、浮気してますよ。相手の女性は会社の同僚で、関係は三年ほど続いてるんですよ。
ドラマなら、ここから修羅場が始まるのだろう。が、結婚して7年になる主婦〈のゆり〉の場合は、少し違う。彼女はその事実を知っても、夫を責めることも、浮気相手に怒鳴り込んで行くこともしない。どうすればよいのか決められないまま、半年間ただ傍観するのだ。
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『ラン』森絵都

ラン直木賞を受賞して確固たる地位を築いた森絵都だが、やはりヤングアダルト作品を書かせたらうまい。『カラフル』で感動した読者なら、「待ってました!」と叫びたくなるような一冊である。
本書は、『カラフル』『DIVE!!』の合わせ技のような作品で、ゴースト風味のスポ根物語といったところ。悩みも苦しみもない死者の世界を描きつつも、軸足は汚濁に満ちた現実世界にある。ファンタジックな設定ではあるが、中身はマラソン仲間との交流を通して人生に前向きになっていく主人公を描いた、至極まっとうな物語なのである。
近年、スポーツを題材にしたYAが豊作である。なかでも、佐藤多佳子『一瞬の風になれ』や、三浦しをん『風が強く吹いている』といった、陸上に青春をかける若者を描いた作品が熱い。『ラン』もその系統に列なるものといえるだろう。ただし、一風変わったスポーツ小説ではあるが。
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『何も持たず存在するということ』角田光代

何も持たず存在するということ角田光代さんの最新エッセイ集。
小説と違ってエッセイの場合、「さん」づけで呼ぶほうがしっくりくる。エッセイと一口に言っても、文章の美しさに惚れ惚れするもの、思わず笑ってしまうもの、視点の鋭さに唸ってしまうものなどさまざまあるが、角田さんのそれは、とても近しい感じがするのである。
小説を書いたことなどなく、一人旅をするわけでもなく、ましてや同世代でもない。共通点を探す方が難しいというのに、不思議と彼女の文章には共感できる。同じ目線の高さが、心地良い。
彼女のエッセイはほんとうに庶民的で、ものごとの捉え方も書く文章もごく普通である。ただ、「普通でいる」ということは、案外難しいのではないだろうか。
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