カテゴリー : 歴史・伝記

『父が子に語る近現代史』小島毅

年号と出来事の羅列、あるいは傑出した人物に焦点を当てるのではなく、日本人ぜんたいの思想や行動から近現代史を捉えようと試みた一冊。
父が子に語る近現代史

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書評/歴史・記録(NF)

歴史というものを一本の木に例えてみると、事件や魅力的な人物といった目に見える「枝」や「葉」を解説した書物は数多あるけれど、それらの大本にある「根」、すなわち原因に着目したものは、案外少ないように思う。
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『縄文の思考』小林達雄

縄文の思考 (ちくま新書)「歴史」でもなければ、「行動」でもない。縄文の「思考」である。
縄文時代といえば、狩猟や木の実などの採集で一日を過ごし、食糧確保に汲々としていたイメージが強いが、縄文人たちになにかを思索するゆとりがあったのだろうか。文化といっても、後に農業社会を築いた弥生時代よりはずっと貧弱なものだったのではないだろうか。
そんな私の固定観念を鮮やかに打ち砕いてくれたのが、本書である。
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『カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男』エレナ・ジョリー

カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男 (朝日新書 106)「カラシニコフ」、またの名を「AK47」。軍事に疎い人でも、一度は見聞きしたことのある言葉ではないだろうか。名称を知らずに、カラシニコフを握った兵士たちの姿をテレビや新聞を通して見ているかもしれない。
この自動小銃によって、どれほどの血が流され、どれだけの人間が自由を手に入れたのだろう。最近では、ビンラディンらテロリストが使っていることで悪いイメージの方が強い。ただ本書は、銃器がもたらした影響を政治的・歴史的に評価するものではない。それを作った人間・カラシニコフに焦点を当てた一冊なのである。
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『ヒトラーの贋札 悪魔の工房』アドルフ・ブルガー

ヒトラーの贋札 悪魔の工房第二次大戦時、ナチス・ドイツがイギリスに対して仕掛けた偽札攻撃・通称「ベルンハルト作戦」。
秘密を外に漏らさぬため、この作戦には強制収容所の中から選ばれた囚人たちが従事させられた。著者のアドルフ・ブルガー氏は、ベルンハルト作戦にかかわり、生き抜いた一人である。昨年末、来日されたことは記憶に新しい。
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『ヒトラー・マネー』ローレンス・マルキン

ヒトラー・マネー手元の福沢諭吉を、まじまじと見つめる。
光にかざすと、真ん中からもう一人の諭吉が顔を覗かせ、左下では、新たに付け加えられた銀色のシールがNIPPON GINKOを主張している。こんな吹けば飛ぶような紙が、人を一喜一憂させ犯罪にまで走らせるのだから、おかしなものである。
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『ファーストマン ニール・アームスロングの人生(上・下)』ジェイムズ・R・ハンセン

ファーストマン(上)

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書評/ルポルタージュ

本が好き!プロジェクト経由で献本していただいたものの、どうにも気分が乗らず、読みかけたまま放置すること数ヶ月・・・。そんな時、エンデバー打ち上げのニュースが私の目を引いた。「今だ!土井さんが宇宙にいるこの時を逃していつ読む!」と人知れずモチベーションをあげて、読書を再開。
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『歌姫あるいは闘士 ジョセフィン・ベイカー』荒このみ

歌姫あるいは闘士 ジョセフィン・ベイカー

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書評/ルポルタージュ

ローザ・パークス女史が理不尽な要求に「ノー」を突きつけ、キング牧師が壮大な夢を語る数年前に、アメリカにおける黒人差別に対して闘いを挑んだ一人の女性がいた。その名は、ジョセフィン・ベイカー。
本書は、彼女の波乱に満ちた生涯を綴った一冊である。
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『徳川将軍家の演出力』安藤優一郎

徳川将軍家の演出力 (新潮新書)家康、秀忠、家光・・・。学生時代、徳川十五代将軍をすべて諳んじることができたのに、今では半分覚えていればいいところ。
約260年続いた徳川政権には長短あるだろうが、戦乱の世に終止符を打ち、「パックス・トクガワーナ(徳川の平和)」と呼ばれる安定した時代を築いたことは、紛れもない事実である。
本書では、徳川家がいかにして自らを「ありがたく」も「もったいない」存在として人々に認識させ、将軍たる地位を確立していったかを将軍家、大名、江戸庶民などの視点を通して解説している。
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『生かされて。』イマキュレー・イリバギザ

生かされて。数年前、何気なくテレビをつけたら、1994年に起こったルワンダ大虐殺のドキュメンタリー番組を放送していたことがある。
ルワンダで何があったか全く知らなかった私は、画面を通して流れるおぞましい映像に釘付けになった。斧を振りかざしてツチ族を襲うフツ族。死の恐怖に怯えながら逃げ回る人々。国同士の戦争なのではない。今まで仲の良かった隣人や友だちが、ある日突然殺意を持って向かってくるのだ。
観終わって数日の間、ショックで眠れなかった。それ以来、この事件にはあえて目や耳をふさいで考えないようにしてきたのだが、大虐殺を経験したツチ族の女性が書いた本書は、どうしても読んでみたくなり手に取った。
約100日間で100万を越す人々が殺された地獄の中、どうやって生き抜き、どのようにして正気を保ったのか。そして殺人者たちに対してどんな感情を抱き、現在幸せに暮らしているのか。その答えが、本書にはある。
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『ひまわりのかっちゃん』西川つかさ

ひまわりのかっちゃん

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書評/ルポルタージュ

「限界は、自分がつくるものです」
と、昔ある人に言われたことがある。
もちろん、体力的な限界というものはあるだろうが、人は、何か壁にぶち当たった時、「もう、ダメだ」と、まず心で負けてしまう。そこで尻込みしてしまうのか。それとも、挑戦し続けるのか。心ひとつで、壁を「限界」とするか、「勝利への飛躍台」とするかの違いとなる。
『ひまわりのかっちゃん』を読んで、私は、この言葉をふっと思い出した。
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『知られざる素顔の中国皇帝』小前亮

知られざる素顔の中国皇帝

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書評/歴史・記録(NF)

先日、映画『墨攻』を観に行った。
映画の出来とは関係なく、日本では土器を作っていた時代に高度な軍事技術・思想を持っていた文明の差と、CGを使わずに本物の人間で大軍を作れてしまう人口の多さに、中国という国のスケールの大きさを見せつけられた思いがした。

本書は、この中国歴代皇帝(百を軽く超えるといわれる)の中から28人を選び、さまざまな角度から光を当て、その人物像を探った一冊である。
ただ、タイトルの「知られざる」は少しオーバーだろう。中には馴染みの薄い人物も登場するが、ほとんどは有名な皇帝たちで、治績はよく知られている。また、本書で書かれていることが、本当に皇帝たちの「素顔」なのかは、過去へ行って直接本人に会ってみない限り、誰にも分からない。
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『ウィーン わが夢の町』アンネット・カズエ・ストゥルナート

ウィーン わが夢の町

  • アンネット・カズエ・ストゥルナート
  • 新潮社
  • 1470円

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書評/ルポルタージュ

帯のコピーに引き込まれて、一気に読み終えた。
本書は、東洋人初のウィーン国立歌劇場団員歌手となったアンネット・カズエ・ストゥルナートさんの自伝である。
戦火の中国大陸を放浪し、命からがら日本に帰国したものの、極貧生活と同級生たちからのいじめに苦しむ日々が待っていた。相次ぎ肉親を亡くし一家離散、養女となって東京へ。音大受験に失敗するものの、夢を捨て切れず単身音楽の都・ウィーンへと旅立つ。
言葉の壁、人種の壁に阻まれながら、「歌いたい」という思いだけを支えに必死に生きてきた著者の半生は、壮絶のひと言に尽きる。
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『ダブルハッピネス』杉山文野

ダブルハッピネス

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書評/ルポルタージュ

少し前から、『友達の詩』という歌が話題になっている。本当の気持ちを心に秘めて相手を想う歌詞を、澄んだ声で歌いあげた、切ない曲である。
この歌が多くの人に感動を与えたのは、曲自体の素晴らしさとともに、「性同一性障害」をカミングアウトした歌手の生き方にもあるのだろう。
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『信仰とテロリズム―1605年火薬陰謀事件』アントニア・フレイザー

信仰とテロリズム―1605年火薬陰謀事件Vフォー・ヴェンデッタ [DVD]独裁国家に反旗を翻すテロリストを描いた映画・『Vフォー・ヴェンデッタ』では、「11月5日を思い出せ」というメッセージが繰り返され、1605年11月5日に起きた火薬陰謀事件について触れている。
イギリスでは記念日となっているほど有名な事件らしいが、私は全く知らず、気になって本書を手に取った。
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『規制緩和に挑んだ「名君」―徳川宗春の生涯』大石学・編

規制緩和に挑んだ「名君」―徳川宗春の生涯徳川宗春。
日本における彼の認知度は、一体いかほどのものか。
私の場合、出発点は田沼意次だった。田沼意次に興味を持って調べているうちに徳川吉宗の重農主義の政策までさかのぼり、徳川吉宗のライバルと目される徳川宗春に行き当たった。 それまでは、宗春の名前も、何をした人物なのかも知らなかった。
単に私の知識がないだけかもしれないが、吉宗に比べると有名ではないことは確かだろう。
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『江青に妬まれた女―ファーストレディ王光美の人生』

江青に妬まれた女―ファーストレディ王光美の人生純白のチャイナドレスを優雅に着こなし、艶のある黒髪をゆるくまとめ、にこやかに微笑む美しい女性が、数年後に「反動的ブルジョワ分子」と罵られ人々の前でさらし者になり、12年間の監獄生活を送ることになるとは、一体誰が予想できただろうか。
本書は、中国国家主席を努めた劉少奇の夫人・王光美の生涯を描いた一冊である。
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