『びんぼう神様さま』高草洋子

びんぼう神様さま年じゅう金欠でぴいぴい言っているからか、タイトルに引き寄せられるように手に取ってしまった。
でもよく見ると、びんぼう神に「様」がついている。それでは足りぬとばかりに、もひとつ「さま」が。
貧乏神(平仮名から漢字にするだけで、どうしてこんなにも辛気臭くなるんだろう)って、疎んじられることはあっても崇め奉られることなんて、まあないと思う。浅田次郎の『憑神』じゃないけど、貧乏神・疫病神・死神の3トップは、できればお近づきになりたくないもの。
・・・というこれまでの考えを、見事に一変させてくれたのが本書である。
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『ミレニアム2 火と戯れる女(上・下)』スティーグ・ラーソン

ミレニアム2 火と戯れる女 (上下巻)

  • スティーグ・ラーソン/ヘレンハルメ美穂、山田美明訳
  • 早川書房
  • 1700円

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書評/ミステリ・サスペンス

「ミレニアム」第二部は、人身売買および強制売春がテーマ。
スティーグ・ラーソンは根っからのジャーナリストなのだろう、人間性を踏みにじる暴力に真っ向から切り込んでいく筆致は、読んでいて痛快である。
謎解きのおもしろさや構成のうまさでいえば、少女失踪事件の真相に迫った第一作目「ドラゴン・タトゥーの女」に分があるが、ある意味本作の方がミステリアスといえる。謎めいた孤高のヒロイン、リスベットの過去が掘り起こされていくのだから。
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『かあちゃん』重松清

かあちゃんある女性の26年にわたる贖罪の年月が、いじめで級友を自殺未遂に追いやった中学生たちや、彼らを見守る教師の内面にさざ波のように広がっていき、確かな変化をもたらすようになる。
その波紋を、語り手を替えて紡いだ連作短篇集が本書。
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『SUMAI no SEKKEI(住まいの設計) 2009年12月号

SUMAI no SEKKEI ( 住まいの設計 ) 2009年 12月号 [雑誌]レビュープラス経由で献本していただいた一冊。
デジタル雑誌にちょっと身構えてしまうのは、旧時代の人間なんだろうか…。世間ではキンドルに注目が集まっているが、やっぱり読むなら紙で、と思う。収納に困らないのはたいそう魅力的だけど。

それはさておき、本書である。
いっとき、ガーデニング好きの母親の影響でインテリア雑誌などまめにチェックしていたが、だんだん手に取ることもなくなってきた。おそらく、「お洒落な家にするには、金がいる」という自明の理をようやく悟ったのだろうと思う。
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『マンスフィールド・パーク』ジェイン・オースティン

マンスフィールド・パーク (中公文庫)何とまあ、何とまあ本当に、時の働きとか人間の心の変化って不思議なんでしょう!(作中より)

『高慢と偏見』『エマ』に比べると地味だが、ボリュームといい内容といい、非常に読み応えのある一冊である。ひとりの女性が幸せを掴むまでの軌跡が、およそ10年の歳月をかけて丹念に描かれていく。初期の軽妙なものより、じっくり読ませる本書の方が私は好きだ。
円熟味を増したオースティンの筆が冴えわたる、後期を代表する傑作。
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