『素数たちの孤独』パオロ・ジョルダーノ

素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット)マイナスとマイナスを足しても、プラスになることはない。その数値が大きくなればなるほど、ますます正数からの距離は広がっていく。
だが、孤独と孤独が出会うとき、共感が生まれ、癒しとなる。それは、ひとりで歩む人生の流れの中で、奇跡のような瞬間だ。
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『リリアン』エイミー・ブルーム

リリアン (新潮クレスト・ブックス)「何がバカなのよ?やらなきゃならないとなったら、できるものよ」(作中より)

お先が真っ暗に思えた時。そこで選択すべきは、「生きるか、死ぬか」ではなく、「しぶとく生きるか、みじめに生きるか」なのではないか。
どれだけ踏みつけられようとも、不運を呪いたくなろうとも、人間には絶望の淵から這い上がれる力が、必ずある。数々の苦難にもめげず、前へ前へと進み続けた主人公リリアンがそうであったように。
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『ナイン・ストーリーズ』J.D.サリンジャー

ナイン・ストーリーズサリンジャーの小説は、とっつきにくい。ただ文字を追うだけだと、何がなんだかよく分からないままに終わってしまう。
けれど、こちらがほんの少し感性を研ぎ澄ませて臨めば、驚くほど美しい世界を見せてくれる。
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『クロニクル千古の闇5 復讐の誓い』ミシェル・ペイヴァー

復讐の誓い (クロニクル千古の闇 5)6巻シリーズの第5巻。
このシリーズ、毎回冒頭にインパクトのある場面をもってきて、その勢いで一気に物語を展開していくのだが、今回はのっけから血の匂いと憎悪が立ち込める、不穏な幕開けである。思い切りがいいというか、トラク、レン、ウルフ以外のキャラクターにはずいぶん冷たいというか、このあたり、西洋人と東洋人の感覚の違いなのだろうか。
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『エマ(上・下)』ジェーン・オースティン

エマ〈上〉 (岩波文庫)エマ〈下〉 (岩波文庫)オースティンの小説の何がおもしろいって、卓越した人間観察力と、皮肉の効いた(少しいじわるな)ユーモアにあると思う。
主人公を取り巻く、さまざまな人間模様。ごくありふれた、どこにでも転がっていそうな日常の出来事が、彼女の手にかかるとキラキラと輝き始めるから不思議だ。
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